俺はもうだめだ
◆俺はもうだめだ
深夜どころかもう朝だというのに、なぜか今、俺はTwitterを開き、
そこでひたすら「広告を消す」作業をしている。
広告ツイートの右上に出てくる▽を押し、「広告内容に興味がない」を押して消す。
「広告内容に興味がない」、
「広告内容に興味がない」、
「広告内容に興味がない」、
「広告内容に興味がない」、
「広告内容に興味がない」、
「広告内容に興味がない」、
「広告内容に興味がない」、
「広告内容に興味がない」・・・。
ハァ・・・、ハァ・・・。
俺はもうだめだ。
煩わしい。広告自体も煩わしいし、こんなことに時間を割いている自分自身さえも煩わしいと思う。
どうしてこんなに広告、広告、また広告ばかりなのだ。この世は広告に犯されている。Youtubeを見ていても、ニコニコ動画を見ていても、Twitchを見ていても、GyaoもAbemaもTverもどこもかしこもコマーシャルばっかり。
頭がおかしくなりそうだ。
最近はよくYoutubeでTiktokの広告が流れてくるが、瞬く間に憎悪と嫌悪で心が埋め尽くされて、特に気が狂いそうになる。陽キャの直射日光を喰らってシミだらけだ。心のオゾン層がちっとも息をしていない。「広告をスキップ」のボタン連打は高橋名人をも超えうる速度が出ているだろう。
そういえば通勤をしていた時も、よく広告を見ていた。
毎日毎日、変わらない広告。全く興味のない内容。気味の悪い人間の顔とデザイン。
もしかしたら私が仕事を辞めたのはここに原因の一端があるのではと、今更になって思う。満員の通勤電車と中吊り広告はやはり悪だ。
こんなことを思うのは、もしかしたら俺が「生産する側ではない」ということに起因するのかもしれないが、それは定かではない。もしその側に立てば何か変わるのだろうか。甚だ疑問である。
この先の選択肢の一つとして「コピーライター」という職業を置いたことがあるが、行きつく先が憎むべき「広告」だということを考えると、自己矛盾でこれまた気が狂いそうだ。俺は今鳴り止まないレクイエムの中を、一人孤独に虚ろな目をして踊り続けているのだ。
誰か助けてくれ。