免許皆伝(2落ち)の逸話
■ペーペーのペーパーでもうパッパラパー
「身分証明書のご提示をお願いします~」
自動車免許スッ・・・
交付 2018年03月19日!?
なんとピッタリ1年でした。今日は免許取った時の思い出を書くよ。
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2017年夏休み前。大学4年生だったぼくは密かな焦りを感じていた。
「免許、取っとくか。」
気付けば社会人一歩手前。今しかない。夏休みに一気に掻っさらってやる。
そう決意して迎える、夏休み。
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クジを引き抜く鋭い一閃
抽選販売まさかの当選
Swtichの世界に俺が参戦
羨ましいか?負け組Hey, Man
"テストは3点、笑顔は万点"
サマーバケーション準備はOK?
† Breath of the Wild †
9月になった。
「あw 免許w」
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そうこうして9月半ば、ようやく教習所へ入学。
学科の授業はそんなに難しい話でもないので別にいい。
問題は運転である。
通学もチャリ。都会へ行くのもチャリ。遠出もチャリ。
どこへ行くにもロードバイクなぼくは「車」に惹かれるタイプの男の子ではなく、車を運転するという行為にもあまりトキめくことはなかった。
こうなることは分かっていたが、よくいる「2~30万円かけて身分証明書を取りに行く人」である。
それに加え「車」という巨躯を動かす恐怖。教習所のコースとはいえ緊張する。極め付けは隣にいる知らないおっさん(たまにお姉さんやお兄ちゃんもいたけど)。
「俺は一体何をしにココへ?」
Meは何しに日本へ?状態である。
そう思うと次第に足が遠のき、卒業間近でゼミの製作もあったため10月まるまる教習所に行かないまま終えてしまう事態に。そうなるともちろん、運転はド下手になる。
運転は感覚である。通勤、趣味で乗る人、タクシーやトラックを操るベテランドライバーならば、その技術が半紙に垂れた墨汁の如く身体に染みついているだろう。
だが俺は仮免すら持っていないペーパー以下の存在。燃やす紙すらない、最初から消し炭状態だ。
プスプス黒い煙を焚きながら教習所に通い、なんとか仮免試験前までこぎつけたが、最後の教習で教官が俺にかけた言葉は、
「これは受かるの厳しそうだけどまあ一回やってみれば?(笑)」
キレながら帰った。
俺はどちらかといえば本番に弱いタイプである。
試験当日、教習所にいるからなのか、心臓はオーバーヒートしたエンジンの如く鳴り止まない。自分の他には2人の仮免受験者。
順番は3番目だった。1番目が運転席に座り、2番目はその試験の様子を後部座席で見学。心底3番目で良かったと思った瞬間だった。
とはいえ車の様子は外から観察することもできる。ハザードのようにチカチカする目を開け、青空と車を交互に見ながら心を落ち着かせていると車が途中で停止した。
正直ホッとした。
教習車が戻ってきて今度は自分が後部座席に座る。この時だけは仙人気分で「お手並み拝見といこうじゃないか」という心持ちだった。
2番目の人の速度、ハンドルの切り方、ウィンカーのタイミングを見ながら技術を盗む。同じ受験者でも拾えるものはなんでも拾う。
特に止められることもなく2番目の人はコースを走り終えた。ついに自分の番。
手汗でハイドロプレーニング状態だったが、前後左右車体の下からシートベルトまで全てをしっかりと確認して発信。
左カーブ、右カーブ、一時停止、信号、クランク、S字、順調に進む。ゆっくりゆっくり確実に。ゆっくりゆっくり。
ゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりゆっくり・・・。
走り終える。教官からは「お疲れ様でした」の声。
直後に"走り"の振り返りを教官と行うのだが、教官は
「だいぶゆっくりだったね。安全運転もいいけど、公道では周りのスピードに合わせるのも大事だからね。」
と言った。
俺の"牛歩作戦"にまんまとハマったなバカめ。ざまあみろ教官。
世間一般の認識でいうと、自動車の仮免試験は司法試験を遥かに凌ぐ難しさと言われている。
そしてその仮免試験に一発合格。繊細なハンドル捌き、死を恐れない豪快なアクセル。
天才ドライバーHARUMAKIの伝説が今、幕を開けたーーーー。
次回
HARUMAKI、死す。
交通ルールを守って楽しく運転(デュエル)!