頭部打撲で人生変わったかも
◆頭部打撲で人生変わったかも
頭部に打撲を負いました。
と言っても、現在の話ではありません。
数年ほど前の秋ごろだったでしょうか。当時はまだ中学生か高校生。
自転車に乗って出かけている時でした。家を出て坂を下り、相応のスピードで河川敷を走っていたところ、路傍の石でタイヤが跳ね上げられ、それだけならまだよかったのですが、タイミング悪く対面から車が来ていたため避けようと逸れたところ、橋の脇へ滑り落ちてしまいました。
気付くと自宅のソファにぽつねんと座っていました。
自分を手当する母親、傷だらけの手、消えた時間と記憶。
生きていたので一安心ではありましたが、ふわふわとして自分が自分じゃないようなそんな感覚、そして得も言われぬ恐怖に包まれながら寝たのを覚えています。
このまま眠って二度と起きられないのではないかとも考えました。
心配は杞憂に終わり、朝は普段通り起きられました。学校を休み、近くの脳神経外科で検査をすることに。MRIに頭から身体を突っ込んだりしました。
特に異常は無し。
医者先生の話によると、「頭を打って一部の記憶が飛ぶ」という事案は存外よくあることなのだそう。そして記憶も、じわじわ少しずつ思い出されてくるので大丈夫とのことでした。
病院あるあるだと思いますが、「よくあること」と言われるととても安心しますよね。
実際記憶は少しずつ戻っていきました(脳が勝手に補完してるだけかもしれませんが)。
本記事はその朧気に思い出された記憶で書いてます。
■賜りもの
では、タイトルに書いた「人生変わったかも」についてです。
「かも」は、確証が無いので付けた次第です。打撲じゃなくて「ただ頑張ったから変わっただけ」なんてこともありえますしね。
皆さんが最後に絵を描いたのはいつでしょうか。絵描きを生業とする人もいるでしょうし、そうでない人も落書きくらいなら~という人、もしかしたら学校の授業以来描いてないという人もいらっしゃるかと思います。
義務教育には「図工」や「美術」の教科があるので、絵を描く機会も多分にあります。通っていた中学校では、毎授業で自分の手のデッサンが行われていました。僕は右利きなので、左手を指定の形にくねらせ、それを5分くらいでスケッチブックに描いていきます。
ただ、描けなかった。
「手を見て同じ形に描く」ということが、当時の僕はできなかったのです。距離感や指の立体感など、特徴を捉えるのが下手だったのか何なのかは分かりませんが、制限時間の5分が経っても指を2本しか描けていないなど、そういうことがザラにありました。
絵を描けない、絵心がない僕にとって美術の時間は苦痛でしかありませんでした。
しかしながら、打撲後。
え・・・上手くね?
特に絵の練習をした覚えもありません。感覚としてはまさに「何故か急に上手くなった」という感じです。
ティッシュの印影や葉っぱの前後など、昔の自分なら描けるはずもなく。
まあ冷静に見ると、普通に "そうでもない" レベルの絵なのですが、狐の影絵の手すら描けなかった僕からすれば、本当に目覚ましく著しい成長です。
というわけで、頭部打撲のエピソードと共に、嘗ての僕の絵を巧妙に載せる記事でした。
ちなみに陣内さんの絵は「笑いのニューウェーブ」で画像検索していただくと模写した写真が表示されます。
以前Twitterで、「美大生には頭を強く打ったことのある人が多い」なんて話題が上がっていましたが、さっきシャンプーしている時にそれをふと思い出してこの記事を書いた次第です。美大生云々は「犯罪者の99%はパンを食べたことがある」ぐらいの話みたいですけれども。
絵を描く仕事をしている(したい)わけじゃないので、「人生変わった」も些か大袈裟ではありますが、思えばあの転倒事故で、脳の構造が一生涯に影響を及ぼすレベルで変わったような気すらしています。思い込みで人生楽しくなるならそれでええじゃないか。
読んでくださっているあなたも人生に行き詰まったり、手軽に現状を変えたいと思ったりした際は、頭を打ってみてはいかがでしょうか。
それがどう転ぶかは分かりませんけどね。
━━━(参考)━━━━━━━━━━━━
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